ジャンダルムで揺れた鎖の音

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山と地質と街道とフィルムカメラのブログ 月1回更新

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みんな今すぐ家を出て東海道を歩け【徒歩東海道準備編】

最近は旅行が盛んだ。

一時期は不景気で落ち込んでいた旅行者数も最近は右肩上がりだし、2018年には訪日外国人旅行者が3000万人を超えたらしい。当たり前のように旅行にいく現代だけど、日本において旅行が庶民に広がったのはごく最近のこと。たった300年程度の歴史しかないことをご存知でしょうか。旅行が庶民のあいだに広がったのは江戸時代で、基本的に庶民の旅行は禁止、お伊勢参りみたいな参拝のためなら旅行が許されたよう。

庶民の移動が活発になった原因の一つとして、江戸時代は道の整備が進んでいたことがある。整備された道はいろいろあるけれど最も有名なのはやはり東海道。どんなものか調べてみると

1624年(寛永元年)完成。江戸・日本橋から小田原、駿府、浜松、宮、桑名、草津を経て、京都・三条大橋までの五十三次(約490 km)

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出典:Wikipedia 五街道 東海道

 

長いね、長すぎる。490kmってよくわかんないよね、駅までの1kmだって遠いのにさ。でも昔の人たちはそれを老若男女当たり前のようにやっていたわけだ(時代によっては女性の通行に制限がかかっていて、もっと長い中山道もよく使われていたようだけど)。現代社会に生きる我々は当時よりも栄養状態がよくなって身体もでかくなっているし、科学技術が発達して道は舗装されてるし橋もかかってる。つまり当時より楽に歩けるはず。ってことで歩いて確かめてみようじゃないか。

 

といっても、東海道なんかの旧街道巡りを趣味にしている人は世の中に結構いて、私は何番煎じか分からない。先人たちをみてみると、大きく2つの派閥に分かれ、その争いは今もなお続き絶えることがない。乗り物を使うか使わないかである。おそらく乗り物を使う派のが数は多くて、一番よく見るのは自転車派。私の直接の知り合いにも自転車派が一番多いが、バイクや車もそれなりにいる。乗り物を使うメリットはなにより速いこと。もちろんペースにもよるが、自転車の場合でも歩きの半分以下の時間で終わるし、車だったら1〜2日で終わる。デメリットはバイパスを通りがちになってしまうので、昔ながらの旧道を通れないことが多いこと。

乗り物を使わない場合はもちろん歩くことになるが、歩く派も大きく2種類に分かれる。分割して歩くか一気に歩くかである。分割して歩く派のが数が多くて、週末等を使って少しずつ進んでいく。時間が来たり疲れたりしたら歩くのを中断して家に帰って、次回は中断した地点で続きから始める。一気に歩く派は文字通り。東海道が使われていた当時の形に最も近い手法だけども、ほかの手法と比べて圧倒的につらい。わざわざこの手法をとる人はもっとも過激な東海道原理主義者である。ちなみに分割して歩く派は一気に歩く派のことを仲間だと思っているが、一気に歩く派は分割して歩く派を内心見下している場合が多い(私見です)。

私はと言うと、「東海道原理主義者です!」と言いたいところだが、まとまった時間がとれず2回に分かれてしまった。中途半端…

まあ一度に長く歩いたってことで、そのための方法を書いてみようと思う。

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車じゃ通れない旧街道


それではまず用意するのものを考える。

 

・履き慣れた靴

・雨具

・防寒着

・五本指ソックス

・安全ピン

・ライター

・絆創膏

・テーピング

バファリン

 

以上である。使いどころは後ほど説明する。こんな知識使うことはない人がほとんどかもしれないが、いつ長距離を歩きだしたい衝動に駆られるか分からない。心の片隅に残しておこう。

東海道と言っても今は街の中心を通っているのでお店はある。なので買えるものは途中で買うとすると、あなたが用意しなければいけないものは、

 

・履き慣れた靴

 

以上である。

「つい最近靴が壊れちゃってさー」って人以外は誰でも今すぐに出発可能だ。「つい最近靴が壊れちゃってさー」って人は全人口の1%くらいしかいないはずなので、99%の人は今すぐに出発しよう。

 

 

 

それでもまだ決心がつかないあなたのために、残りの道具を説明していこう。

 

・雨具

カッパでも傘でもOK。弱い雨なら傘のが快適。

 

・防寒着

寒さは心を折ってくる。過剰にあるくらいがよい。

 

・5本指ソックス

30kmくらい歩くと、足の指の間にマメができる人が多い。5本指ソックスを履いていれば防げるので必須。

 

・安全ピン

かかとや親指の付け根あたりにマメができる人が多い。そのマメを潰す用。自然に潰れると激痛なので早めに潰して微痛に抑えよう。

 

・ライター

安全ピンでそのままマメを潰すと感染の危険があるので、ライターで炙って消毒してから使う。

 

・絆創膏

潰したマメの保護用。

 

・テーピング

数日間歩き続けると足首や膝の関節が炎症を起こす場合がある。激痛で動けなくなるが、テーピングをすればなんとか動けるようになる。やり方は動けなくなってからググろう。

 

バファリン

万能の鎮痛剤。最終手段。乱用に注意。効き目が落ちていく。

 

ほら、これでもう安心でしょう。

現代社会に生きる全ての人々は今すぐ家を出て東海道を歩こう。

次回は実践編。