ジャンダルムで揺れた鎖の音

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山と地質と街道とフィルムカメラのブログ 月1回更新

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山で飲むコーヒーの淹れ方について比較検討する

山に登る人にはなぜかコーヒー好きが多い。漫画「岳」の島崎三歩もいつもコーヒーを飲んでいる。寒い山であったまるためとか、空気が薄くてぼーっとするから頭をシャキッとさせるためとか、色々理由はあるだろう。私も例に漏れずいつのまにかコーヒーが好きになり、すっかりカフェイン中毒である。どうせならおいしいコーヒーを飲みたいと思い調べてみると、抽出方法が色々あるらしい。いきなり山で試すと不都合が生じる可能性があるので、まずは下界で試してみよう。

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笠ヶ岳山荘にて

検討する方法は

の4種である。

山に行くならエアロプレスを試せよと思ったそこのあなた、道具が用意できませんでしたすいません。そのうち買って試してみようと思う。ちなみに今回の道具は友人と私のものをかき集めた。

使用する豆はマイルドカルディ(カルディの店頭でいつも配ってるやつ)に統一した。これをミルで中挽きくらいにして使用した。統一したがために後々支障が出てくるが許してほしい。では比較を始めよう。

 

ペーパードリップ

皆が思い描くコーヒーの淹れ方。飲み慣れた味になった。ペーパーフィルターが油を吸いとるため、あまり水面に油は浮いていない。空気に触れる時間が長いためか、やや酸味が出やすい印象。使う道具が少ないため、山にも持ち込みやすい。

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サイフォン

最近人気の淹れ方。インスタ映えするのでカフェでもよく見かける。さっぱりとした味になった。こちらもあまり油は浮いていない。空気に触れる時間が短いためか酸味が弱い印象。今回試したなかでは一番好きな味だ。ただし分かっていたことだが、山に持ち込むのは不可能である。ザック内でガラスがバラバラになるであろう。必要な行程も最も多く、後処理も大変だ。もし山小屋でサイフォンコーヒーやってるとこがあったら通いたい。と思って調べてみたら、割とあるみたいなので通います。三俣山荘とか。行ったことあるのに知らなかった。

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これだけフィルムで撮ったので色味が違いますが気にしないでください

 

フレンチプレス

日本では紅茶に使われることが多い淹れ方。金属フィルターを押し込み絞り出すようにして抽出する。味はにがい、というかえぐい。隙間を貫通したコーヒー粉があるようでかなり濃いめで苦く、油も浮いておりコクも強い。やはりこの方法は紅茶向きか。しかしいろいろ調べてみると、この方法はかなり粗く挽いた豆で抽出するべきらしい。条件を統一したことが仇となった。粗く挽いた豆でやり直そうと思う。使ったコーヒー粉を容器に入れっぱなしでそのまま持ち帰ることができるため山では扱いやすいが、やや容器がかさばる。

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メッシュフィルター

ペーパーフィルターの代わりに金属の細かい網を使う方法。酸味や苦みが強い味となった。網が細かくペーパーフィルターよりも淹れるのに時間がかかったため、このような味になったのだろう。もう少し粉を少なくしてもよかったかもしれない。また、ペーパーフィルターに吸い取られることがないため油も浮いていたが、フレンチプレスほどえぐくなることはなく、コクを楽しめるといった感じだ。この方法の最大の強みは道具がかさばらずゴミも少ないことで、今回試した方法のなかではもっとも山に持っていきやすい。

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うちにあるのはアウトドア用の折り畳み式

 

試した方法は以上である。正しく淹れることができれば「この方法が一番おいしい!」とはなかなか決められず、好みの問題になってきそうだ。道具の山への持ち込みやすさに関してはランク付けをすると、

メッシュフィルター>ペーパードリップ>フレンチプレス>>>>>>>>サイフォン(持込不可能)

となった。サイフォン以外はそこまで苦労せず持ち込むことができるが、荷物を減らすにこしたことはない。とか色々と考えていると結局ドリップバッグを持っていくことになる。今度こそちゃんと山頂でコーヒーを淹れるぞ、と思い続けるだけの日々に終止符を打てる日はくるのか。ドリップバッグでも十分おいしい現代技術にはなかなか勝てそうにない。